こんにちは。不定期で更新されるこのコラム。学習アドバイスというより「ちょっと数学が身近になったり興味を持つ高校生が増えれば嬉しい」という気持ちで書いています。難しそうと思ず、最後までぜひ読んでくださいね。

今回は、高校数学で突然現れる自然対数の底(=e)が主役です。読み方はイーでいいんですが(シャレじゃないですよ?)実はちゃんとした名前があるって知っていますか?

 

名前はネイピア数

eの名前は、ネイピア数。えっとなんだったっけ?という方は数学Ⅲで必要なので教科書を見てちゃんと覚えておきましょう。ちなみに幸運を呼ぶ数とかいろんな諸説がありますが、私たちにはとても身近な数で知れば知るほど面白い!です。

ちなみに「ネイピアなのに、なんでeなんですか?」と言う質問もよく聞かれますが、これはネイピアのイニシャルではなくあの大数学者オイラーの頭文字なんです。オイラーは高校数学でも出てきますよね。オイラーの公式、オイラーの定理、とにかくたくさんあります。ネイピア数にまつわる話は多いので今日はその中から一つをご紹介します。

最適停止問題?ちょっと難しそうだけど実はとっても身近な数学

秘書問題とか、シンドバッドの花嫁選びとか、いろいろ呼び名があります。大勢の中からたった一人の人を選ばなくてはいけないという状況なら何でも応用できます。

では、早速本題。

あなたはこれからお見合いをしていきます。

目の前に現れる花嫁さん候補はN人。

当然、そのなかから一人を選ばなくてはいけません。

できれば、一番素晴らしい女性を選びたいところですが、

花嫁選びには次のような規則があります。

ランダムに一人ずつ目の前に女性が現れる。

あなたは、即座にその場でイエスかノーかを答える。

ノーと答えた女性には二度と会うことはできません。

(あとから、やっぱり君が一番だ!は無理ってこと。)

さらに、結婚したいという女性が現れてそこでイエスと答えれば、

そのあとに続く女性たちにも会うことはできません。 

 

悩ましい問題ですよね??笑

一番最初に一番素晴らしい女性が現れるかもしれない!

一番最後かもしれない!

一体どうしたらいいんだ!俺!

そんな悩める男子に、早速答え。

もしもN=100

つまり100人の花嫁候補がいたとするならば、はじめの37人はすべてスキップするんです。

そして38人目から、これまで出てきた女性のなかで一番良かった女性と比べて上回る女性がきたらそこで、プロポーズ!

それが一番期待値が高くなる方法なのですって。

は?37人?

半分じゃ駄目?

10人でも駄目?

このスキップする人数がすごく重要。

見送る37%という数値はネイピア数の逆数なんですよ。

なんで期待値が最大になる人数を計算するときにネイピア数が関係するのか?ちょっと気になりますよね。

どうしてそうなるの?というのは、一応私も計算して確認しましたが、確かにその通りでした。

でも書くのは面倒なので、、、割愛させていただきます。気になる方は直接校舎まで質問しに来てください。いつでもお答えします。


高校生の間の恋愛はまだスキップする途中

恋愛中の高校生は少なくありません。大切な彼女や彼氏がいて、うまくいったりいかなかったり悩むことも多いと思います。

中には「彼女と別れたショックで受験勉強どころじゃない!」なんていう高校生もいたりして…。

でも、ちょっと待ってください。この最適停止問題で考えると高校生の間の恋愛なんて最初の37%以内。つまり自分の基準を見つける範囲でしかないんです。

 

ちょっとうまくいかなくても、「今は基準を見つけている期間だから」と割り切りましょう。大事なのは自分が一番だと思う基準選びなんです。そして、大人になったときに「そろそろ37%も過ぎたからこれまで出会った人のなかで一番良かった彼女よりいいと思った人に猛アタック!」これしかありません。

 

でも…じっくり考えて欲しいのですが、自分が一番だと思う人に出会えたとき、相手からも選んでもらえるかどうか?は別問題ですよね。お互いに一番だと思い合えたらベストですが、なかなかそうならないのも世の中。というわけで、高校生のうちは自分の志向の先を見つけ、そして自分の価値を上げるために努力をする時期というのが結論です。(簡単に言うと努力をして人間的成長をしつつ、自分の目指したいものを見つけていこうということ)

 

受験生は恋愛しないほうがいい?

高校生から「いいなと思う人から告白されたんですが、受験生は付き合ったりしないほうがいいですか?受験生は恋愛をすると大学に落ちるって聞いたことがあるんですが…」と相談されることがあります。

私の答えはもちろん「やめたほうがいい」です。もちろんこれはこれまでの経験上のアドバイスでもありますが、それ以上に相談してくるくらいならまだその子にとっては判断できるだけのデータが揃っていないということだからです。

どうしても付き合いたい!と思うのだったら、「先生、僕はもう出会うべき人の37%の人と会いました。そしてその中で一番だと思う女性を超える人と出会いました。なので受験生ではありますがその女性とお付き合いしたいと思います。もちろん僕の夢や志に変わりはなく、これまで以上に努力を続けるつもりです。何かご意見はありますか?」くらいのことを言ってもらいたいものです。

(M.K)

今回は自然対数から最後は恋愛ネタに飛んでしましましたが、いかがでしょうか?ちょっと数学が身近になったり「面白いな!」なんて思ってくれたら嬉しいです。ちなみにこのネイピア数の逆数は別の中高生レベルの数学問題にも出てくるので、次回はそれもご紹介します。(不定期更新ですが、楽しみにしてくださる方がいれば嬉しいです)

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